Who is King ? | 01

8/14(日)に品川ステラボールにて開催されるSTREET KINGS。

賞金総額500万円、オリジナル音源、生中継、そしてフリースタイルバトルの独自システム、、新しい挑戦づくめのバトルイベントだ。その主催者でもあるALMAのHIRO氏に、本イベントの構想や経緯、見どころなどについて話を聞いた。




--今回の STREET KINGSについて、いつごろから構想しはじめたのか、そしてこれほど大掛かりなコンテストへHIROさんを突き動かしたものは何だったのでしょうか?


HIRO:構想自体はだいたい二年前から考えていて、ストリートダンサーって言われている人たちの生業の立て方や認知度をなんとかして向上できないかなって思っていました。DANCE@LIVEやDANCE DELIGHTなどの既に続いているイベント自体もダンサーの価値を押し上げてくれている。僕も出演ダンサーとして還元したいと思っていたけど、もっと更に新しいことができないかなって考えていた時に、LDHで働くきっかけをもらって、いろいろ試行錯誤しながらいろんなイベントを続けてきました。それで今のタイミングで、このSTREET KINGSを開催しようということになりました。



--このタイミングにした狙いはあったのでしょうか?


HIRO:いまDANCER’S-PRIDEというプロジェクトを始めさせて頂いていて、ちょうどそれが二年目で。去年いろんなコンテストやイベントをDANCER’S-PRIDEのもとでやっていて、今までの既存のコンテンツじゃないものを世の中に提示したいなって思いました。それがまさにこのSTREET KINGSで、今のタイミングだったっていう感じです。



--DANCER’S-PRIDEなどを含め、LDHさんのストリートダンスシーンにおける関わり方はどのようなスタンスなのでしょうか?


HIRO:基本的にLDH社長のHIROさんをはじめLDHのアーティストの根本にあるのは「ダンス」というキーワードで、ダンスシーンに対しての恩返しや支援をしたいと考えていて、それをLDHでしかできないこと、世の中のダンス認知をあげたい、職業として成り立っていく仕組み、きっかけをお手伝いしたいと思い、STREET KINGS、JUSTE DEBOUT、THE ABSOLUTEなどのイベントを続けていき、みんなに楽しんでもらったり、そういう場をきっかけにチャンスをつかんでほしいという気持ちでやっています。



--カルチャー要素、アンダーグラウンド要素が強めのストリートダンスカルチャーにおいて競技性を強めていくという方針に至るまで、何か葛藤のようなものはありましたか?


HIRO:迷いはないです。ダンス自体はどんな環境でも状況でも変わらない、メジャーでもアンダーグラウンドでも、コンテストでもバトルでも基本は変わらないものだと思っているから、そこに対しての迷いはないかな。位置付けとして賞金も高くてみんなに注目してもらって信用も高く規模を大きくしたいなっていう意志がありつつも、でも中身のアングラ感は残したいというコンセプトがあります。でも世の中に浸透させていくために超えなきゃいけないハードルがたくさんあって、いろんな部分での挑戦というか、なんていうんだろう、難しいな(笑)う〜ん 今やるべきことをそのSTREET KINGSでダンスシーンにも提示したいし、自分たちもその壁を超えられるか試したいと思っていますね。



--実際大変だった壁とは何でしょう?


HIRO:大きく分けて二つあって、一つは楽曲のこと。要はこのSTREET KINGSは100%オリジナル音源というコンセプトを元に始まったプロジェクトなので、楽曲を作ってもらうところから、権利の部分の対応などの、必要な作業がすごく多くて大変でした。もちろんお金がかかるし、それに見合うビジネス的な収益ベースという仕組みがなくて、それを作るためにいろんな方に協力してもらっていますが、今でも難しいです。

二つ目は、ダンスイベントって来てくれた人が楽しむことが大前提だけど、それだけでは広がりがないから、メディアで取り上げてもらうということが物凄く重要です。でも時代的にメディアがたくさん確立されている中で、どのメディアなのかがすごく重要で、今回はAbemaTVに協力してもらって生中継を配信していきます。これもダンスシーンでは初の試みなので、とにかくシンプルではないので大変ですね(笑)



--AbemaTVの話題がでましたが、ラップのシーンがフリースタイルダンジョンなどの影響で一般層に浸透してきていると思います。非ダンサー層にそもそもの興味をもってもらうということも大きな壁だと思うのですが、その壁を越えるための工夫やアプローチなど考えているところがあれば教えてください。


HIRO:一つはこのSTREET KINGSはいろんな可能性を持っているということです。例えばトラックメーカーの人に作ってもらった楽曲の使い方で、映像の配信という形で今までと違ったプロダクト的なものを生み出せるのではないかと考えています。楽曲を持てるラッパーとは違い、ダンサーはプロダクトを持っていないことが課題で、これはまずそのきっかけになってほしいと思っています。ダンサーが何かしらのプロダクトを持ってそれを世の中に提示することができれば、より多くの人に知ってもらえることにつながると思うので。それを踏まえて、ダンサーの次の形を作りたいです。

例えばバトルを競技と位置付けるなら解説者が必要だし、若手が出るためにコーチが必要になるかもしれないって部分に、新たな可能性を見出せるかなと思っています。一番は内容が面白いってことなんだけど、でもその後に結果を残したダンサーをどうピックアップしていくかも今後の鍵だと思っています。そのためにAWAに協力してもらって、楽曲配信したり、AbemaTVなどのいろいろなメディアに継続的にピックアップしてもらいたいなと思っています。それが今後のブームのきっかけになるかもしれないし。自分もいろいろなメディアに取り上げられてきたけど、どこまで影響があるかとか正直不十分だと思っていました。実際に優勝した経験のある自分が不十分だと思っているから、そうでない人たちは尚更だと思っています。でもそういういろんな経験をアイディアとして詰め込んだイベントがこのSTREET KINGSですし、より多くの人にチャンスを作りたいですね。



--今回、EXILEの世界さん、GENERATIONSの中務裕太さんも出演されるようですね。

メジャーシーンとストリートシーンのクロスでどういったことが起きそうか?期待してることはありますか?


HIRO:基本的に世界も裕太も、ダンスのシーンでチャンスを掴んで、パフォーマーになったので、僕の中では彼らはダンサーだと思っています。彼らもダンサーでありたいと思っている気持ちが強いので、今回のことに関しては特別なことじゃないと思っています。その人の社会的な地位とかそういう垣根をこえて、ダンスをしている人たちはみんな一つって思いを、メジャーシーンの人も一般の人たちも含めて持ってほしいなって。でも彼らはアーティスト活動をしているので、これをきっかけにたくさんの人たちに観てもらいたい。更に応援してくれている人たちに、このアンダーグラウンドなコンテンツにも興味を持って、観て、楽しんでほしいなって。そういうきっかけを今回作れればなって思っています。二人が出演を決めてくれたことには感謝ですね。

「AbemaTV 8/14 STREETKINGS事前特別番組!世界vs中務裕太!ダンスへの熱き思い」より


--ポジションとかそういう垣根を越えて挑戦できるっていうのはいいですね。


HIRO:そうだね。今回たまたまバトルってだけで、もしかしたらパフォーマンスかもしれないしセッションかもしれないし、名前はいろいろあると思うんだけど。でもそこに制約があるわけではなく、踊り合うってことは自由で、ダンスはそうあるべきだという思いが根底にあるわけで。


--今回のダンサーの中で、台風の目は誰ですか?上位に食い込んできそうなダンサーはいますか?

HIRO:そうですね、GUCCHONかな。もちろん彼は日本が誇るスーパーダンサーで、ダンスシーンのこともすごく考えていて、個人的にもいろんな話をしていて、こういう機会を逃してはいけないということで今回参加してくれることになりました。このことには物凄く感謝してるし、彼を誰が倒せるのかっていう部分と、ジャンルの垣根を越えた本当の意味でのフリースタイルという舞台でGUCCHONは凄く強いので、期待していますね。


あとはYOSHIEですね。彼女も世界に誇るFemaleダンサーで、経験もスキルも今世界一じゃないかなって思うダンサーなので。もうこの二人のレベルまでいくと勝ち負けじゃなくて、ダンス自体に価値があるんです。でもその二人が勝ち負けのステージに出るってものすごいことなので、できるだけ多くの人に観てもらいたですね。


--若手勢では誰が注目ですか?

HIRO:若手では、ハウスのSANTAとKAZANEがエントリーしてくれて、今回18歳以上の参加基準なんですけど、18〜20や20歳前半の人たちに、チャンスを活かしてきっかけを掴んでほしいと本気で思っているから、その年代にはたくさんエントリーしてほしいですね。エントリーしている人の中でベテラン勢もいるけど、そこはガチの勝負で下克上というか、世代交代みたいなことをここでやってくれればいいなと。僕らもこのSTREET KINGSがそういう真剣勝負の舞台としてより良いものになるよう、これから試行錯誤していきたいと思っています。ぜひみんなこのチャンスを逃さないでほしいと思っています。


--まだエントリーを迷ってるダンサーにメッセージはありますか?


HIRO:今のダンサーはすごく忙しいと思うんです。単価は低いけどダンサーにまつわるイベントやお仕事も多くて。でも自分はイチダンサーとして、時間のマネジメントが一番大事だと思ってます。自分は一人しかいないわけでダンス人生の中でその時にできることは一つ選択しなきゃならない。その選択をいかに濃いものにできるかが、その人のダンサーとしての経験値につながっていくと思うんだよね。それが価値につながるから、ひとつの選択肢としてこのSTREET KINGSを見据えてもらいたいし、挑戦すべきだと思う人はぜひエントリーしてほしいし、STREET KINGSは続けていきたいので、もし今回スケジュール的に出られない人は次回絶対にエントリーしてほしいなって思っています。


--これからどれぐらいのスパンで行われるのですか?


HIRO:まだ公表できないんですけど、次回は来年の2月に開催する予定です。

できれば当日イベント会場で場所と日時を発表しようと思っています。




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