B-Side of Life

A面しかかけないDJが嫌いだ。

社会の裏側をすり抜けるように生活している僕らにとって、B面を無視されることは、まるで自分の存在すらスルーされているような気持ちになるのである。

誰しもが知っているヒット・ソングを脈絡なく並べてフロアーを盛り上げた気になるなんて、、あぁなんて色気のない!

あのリミックス、あのエクステンデッド・ミックス、あの曲のインスト、、そうやって裏の溝を知り尽くした人こそ、逆にまた、A面の味わいをより深く知っているから面白い。

いずれに飽きたら、もう一方に、戻ってみたり。そうやって僕らは人生のA面とB面を繰り返し裏返しながら回り続けているのかもしれない。

そんな旅路のBGMは是非、僕が最も得意とする"踊れるB面ネオ・ソウル"をお供に。終わらないグルーヴを捕まえにいきましょう。

1. Stoplayin / Musiq (Soulchild)
今回のテーマに恐ろしいほど始まるアーティストと言えばこの方。特にCarvin & Ivanを始めとするフィリー・ソウルの安心印が名を連ねた初期作品はシングル以外も聴かなきゃ損。こちらは"Just Friends (Sunny)"に並んでダンサー人気も高い一曲。この"タメ"のこそが、踊れる秘訣です。

2. Nostalgia / Hil St. Soul
UKソウルの老舗レーベルDomeから1999年のデビュー以来、現在までに4枚のオリジナル・アルバムを発表している男女デュオ。名カヴァー"Until You Come Back To Me"を収録した処女作から、タイトル通りどこか懐かしいパーティー・ソング。歯切れの良いカッティング・ギターが最高。

3. P.Y.T. / Noel Gourdin
"The River"で一躍R&B好きの間に名を馳せたノエル。由緒正しきクラシックなソウル・マナーを持ったその歌声は、ここ日本でももっと騒がれて然るべき才能である。2014年作の"No Worries"のリミックスでは前述のヒル・ストリート・ソウルとも共演している。

4. Scared / Amp Fiddler
デトロイトから長きにわたり音楽シーンを支えてきたベテラン・キーボーディストによる超絶縦ノリファンク。このビートで頭が振れないヤツとは一緒に踊れない。11月には御代ジョージ・クリントンと共に来日することも(ひっそりと)決まっているゾ。

5. Grown / Truth Hurts
ラキムを迎えた"Addictive"が大ヒットし過ぎたせいで、他の楽曲の印象が埋もれがちな彼女だが、アフターマス周辺の製作陣が集結したデビュー作はどの曲もヘビー級のパンチ力。ミックスをドクター・ドレーが担当した本曲は、現在WAPPERさんとのショー音源としてもお世話になっています。リリックも痛快。

6. My High / Yero
ウェッサイ絡みで、2001年ドレーやスヌープ、DJプー等が出演したコメディ映画『The Wash』サウンドトラックからの一曲。無名のシンガーだが、ブライアン・マイケル・コックスとジョンテイ・オースティンの黄金タッグが手掛けたということで楽曲のクオリティーの高さにも納得。昨年WDCで来日したフレンチ・ポッパーCreestoも使っていましたね。

7. One More Day / Glenn Lewis
①のミュージックと並び、スティーヴィー・チルドレンとして喉を唸らすカナダ出身のシンガー。Andre & Vidalが全面バックアップしている点でも共通している両者だが、ミュージックにも全く引けを取らないこんなにも素晴らしいアーティストが、今までに2枚のアルバムのみとは!何とも世知辛い音楽業界です。

8. So Lady / Mary J. Blige feat. Raphael Saadiq
ラストの締めはクイーンにお任せ。2005年作『The Breakthrough』から③と同じくラファエル・サディークがプロデュースした可愛らしい一曲。こういった抑えめな時の方が好きかも、と思った矢先に新曲"Thick Of It"を聴いて、やはりこの人は"痛み"のスペシャリストだと再確認。次作は凄いことになりそうです。


"踊れるB面ネオ・ソウル" by Yacheemi on AWA 

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