Bayside Luv Drive

ドライブ・ミュージック。


友達と行くクラブとも、家で1人じっくり聴き入るレコードとも異なる魔力がそこにはある。

夏の海岸沿い、夜の首都高。その言葉だけで、付随する由無し事に夢を馳せることができるから男は単純だ。ましてや自動車はおろか、原付の免許すら持ち合わせていない自分のような人間なら尚更、妄想は膨らむ一方である。

ドライブの聖地とも言える横浜に生まれ育っておきながら無免許とは恥ずかしいが、キャデラックの「キャ」の字にも興味が無いから仕方がない。欲しているのは、ドライブというシチュエーションと、それに合う音楽だけ。毎日車を乗り回していたら掴めなかった too muchロマン。


さぁプレイリストを流して、目を瞑って今夜もアクセルをふかそう。山手線に揺られながら。


"Bayside Luv Drive" by Yacheemi

Tap & Listen.

1. Intro / 思い出野郎Aチーム feat. LUVRAW

舞台はもちろんブルーライトよこはまフライデー。出逢ってまだ数回目の助手席のチャンネー(死語)は連勤明けで少し疲れ気味。

そんな彼女の肩をほぐすかのように、幕開けは、国内屈指のファンク・バンドから粋に刻む。ハマの甘党 LUVRAW 氏による泣きのメロディーも僕の味方だ。


2. Looking Up To You / Michael Wycoff

なんといってもこのイントロ。なんといってもドライブにはこの疾走感。ブラコンの代名詞とも言える名曲でありご存知ジャネイの元ネタ、 90s 育ちの彼女の顔も軽くほころぶ。エンジンも温まってきた。


3. So Many Sides Of You / Bobby Womack

間髪入れずに畳み掛けるダンディズム。甘いだけの軟弱メンズに終わらないよう、一夜に一人は塩辛ヴォーカル。一筋縄ではいかない彼女の心への想いを天国からの歌声で代弁してもらおう。

4. There Goes My Baby (Billion Riddim) / Calvin Richardson

ハマは、レゲエが似合う。 チャーリー・ウィルソンに提供しヒットした同名曲をワン・ドロップver.にして、ゆっくりとタイヤは回る。なお 2009 年には前トラックを歌うボビーのトリビュート・アルバムを発表しているという伏線もあるが、音楽うんちくは胸にしまっておくのが得策。


5. Friend Like Me / Wayne Wonder

カリブの匂いはそのままに、ダンスホールで人気のシンガーが歌うラヴァーズ・チューンへシフト。「彼女が必要としているのは僕のような友達」というサビのリフレインを助手席に植え付ける。以上なのか以下なのか、決して答えを焦ってはいけない。


6. I Like (Kenny Dope Vibes Mix) / Shanice

問いかけのあとの沈黙。シングル ver. でなくケニー・ドープによるリミックス(のインスト)を用いてスロウダウン。さきほどまで弾んでいた会話は、その無言によって引き立てられる。人は引かれると、なぜか惹かれるものだ(うまい!)


7. In The Hood (Remix) / Donell Jones

大桟橋が近づいて来た頃にはドライブもクライマックス。無言の脅迫からか、気持ちがこちらに前のめりしてきたところで、プレイヤーっぷりを猛アピール。冒頭の、ドネルのため息の悪さったら!ネタ使いされているZapp が横浜の香りを色濃くする。


8. Vanston Place (00 AM) / Ronny Jordan

ここらで一旦車を横付け。車内から覗くランドマークタワーに観覧車。ドラマチックな音楽もいいが、ここはアシッド・ジャズの巨匠(R.I.P)による優しいギターが良い塩梅。見とれていると時間は過ぎるよアッちゅー間。さぁプレイリストはここまで。この後どこへ向かうかはもう貴方の手の中。

あとは教習所に通う勇気さえあれば、なんだってできる。


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