AS DANCER, AS DJ | 03

新しい曲と出会える楽しさ、喜びはダンス自体も豊かにしていく



特に大事にしている曲ってありますか?


SORI:絞れないかなー、ブラックミュージック全般。これがなかったら困るなぁ。初めて聴いた時に丸みを帯びた感じ、今思うとそれがGROOVEっていうことだと思うんだけどやっぱりこれがないと困るかな。選べない! カルチャー全部大事!まあ聴き始めた頃はHOUSE OF PAIN とかNaughty By Nature とか。その頃は RAP100% みたいなCD があってJUMP AROUNDとかLL COOL Jとかそのへんかな。


OHISHI:俺は、久保田利伸さんの「Dance if you want it」。もう、これかな。


選曲でのアドバイスって何かありますか?


SORI:このアーティスト聞きな、とかはなくて、とりあえず興味ある曲で楽しいものを掘り下げることかな。そのアーティストが入っているコンピレーションアルバムなどで他に入っているアーティストに興味を持ったり(横に広げたり)そのアーティスト自身の他のアルバムなどを調べて行く(縦に掘ったり)などして行くと徐々に全体像が見えてくるからね。好きなモノをとことん広げる、それをやっていけば色々な素晴らしい曲に出会えると思います。


OHISHI:今の若い子達、詳しいよね。俺もこのアーティスト勧めるっていうのはそんなにしなくて、でももっと人に聞いたらいいと思うよね。Shazamで調べるのもいいけど、DJに聞きに行ったらどうかな。一人の世界で完結するのはちょっともったいないと思うし。俺も昔すごく聞きにいってたし、コミュニケーションとってそこから広がるのってすごくイイからさ。今は便利だから皆完結しちゃってるのかな?やっぱり音楽って人と人とのコミュニケーションをつなげるものでもあると思うし、 出会いを作るものだと思うしAWAもそうじゃん(笑)?その方が面白いと思うんだよね。


レコード、カセット、CDにはじまり、その後MP3、ストリーミングなど音楽を聴く媒体や聴き方が変わっていると思うんですがそういった変化に対してどのように捉えていますか?


SORI:昔の媒体がなくなってくっていう風潮が一時期あったと思うんだけど、俺的には今はそうは思っていなくて、増えることはいいことだなって。流通させる手段、色々な方法で最適な環境で届けられるし、アーティスト側も選択肢増えるし、プロモーションする幅も広がるだろうしね。基本的にはいいことだと思っています。衰退していくって言うよりはいい意味で活性化していくんじゃないかなと思っています。


OHISHI:俺もすごいポジティブに捉えてるね。星の数ほどの音楽が世の中にはあってなるべく色々な曲に出会いたいなあとは思っているしね。ダンサーは少なからず音楽好きだと思うけど、 音楽が広がるとダンスの幅もひろがるからね。新しい曲と出会える楽しさとか喜びはダンス自体も豊かにしていくと思うけどね。色々なものがあってすごくいいと思う。新しいモノが出ることによって古いモノが再評価される、そういうことも生まれるし、バランスよくなってくといいなって思います。


今後のダンスシーンについて、考えるところがあればお聞かせください。


SORI:最近ダンスってなんなんだろうって考えることが多くてね。おっちゃんがクラブでフラ〜っと身体を揺らしているのもダンスだし、技術的に目指すこともダンスだし。そこのダンスの違いってなんなんだろうな。歳重ねるとダンスに求めるものが変わってくると言うか、昔の友達も意外とこの歳になってダンスに戻ってきている気がする。ダンスに触れる人が多いことは素直に嬉しい。ロックダンスシーンに関して思うことは、ロックダンスの中で流行っている曲のことかな。みんな情報早いなって思って、すごいイイと思うんだけどロックダンスシーンと音楽シーンにはやはり隔たりがまだまだあるかな。そこが繋がるともっと楽しくなっていくなと思いますね。


OHISHI:歳を重ねると辞めてしまうのは、みんなそれぞれの人生のシーンがあるからしょうがないなとは思うよね。それでもダンス中毒な人は続けてると思うし、俺の後輩も30歳越えてきてもやってるヤツはいるし、楽しみ方やスタンスは色々あっていいと思う。趣味のひとつにダンスがあってもいいし、嬉しいし。ダンスや音楽があることによって 生活が豊かになってくと嬉しいなぁ。逆に力が抜けて仕事も落ち着いて年もそこそこになって今、またクラブで会うようになるやつとかも出てきて、 俺からしたらダンスの現場がみんなと繋がれる場所でもあるからそこに来てくれるとうれしいな。繋がれる場所を作るというか、それがパーティーを開催している意味でもあるし、そこに行けば懐かしいヤツとか新しいヤツと会えるからね。ダンス続けていなくても音を一緒に感じられる、そういうふうになっていくとイイナと思いますね。


SORI:音楽と共に生きていけば絶対つながってくるよね。おれもすごく思った。


OHISHI:音楽が好きであればいつまでも繋がれる糊しろがあるよね。ダンスやめちゃったやつ、それはそれで悲しいんだけど、それでもたまに会って音楽で繋がれる。それが音楽の魅力かな。音楽の世界ってとてつもなく広いし、そこを知ってダンスにも還元していく。そんな循環をまわしていきたいですね。音楽もダンスもポテンシャルが高くて今、ダンサーもすごく注目されているし、いろんな人が今、間口を広げているよね。この状況ってみんなこれまでスゴクがんばってこういう状況が生まれてるわけだけど、このポテンシャルのあるダンスをもっと知ってもらわないといけないと思っている。音楽シーンとダンスシーンがクロスオーバーしてもっともっと加速していけばいいな。これから観光客も増えるだろうし、世界の人と一緒になっておどれるような国、そんな風になっていくといいよね。

写真提供:SORI/OHISHI/Yusuke Oishi/anomaly.inc


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